高血圧、糖尿病、高脂血症等生活習慣病の管理・治療

生活習慣病とは

偏った食事、運動不足、ストレス、喫煙、飲酒など、主に長い間の生活習慣が原因となる病気で、代表的なものに脂質異常症高血圧糖尿病があります。これらは自覚症状がはっきり現れにくく、気づかないうちに動脈硬化が進み、ついには狭心症、心筋梗塞、脳卒中、閉塞性動脈硬化症(ASO)など重大な病気を引き起こしてしまいます。さらに、いくつかの生活習慣病や因子が重なると、心臓病や脳卒中が生じる危険性が一層高まります。生活習慣の改善は生活習慣病の予防につながりますし、かかった後でも治療のポイントになります。自分は大丈夫と過信せずに、いつも生活習慣全般に注意を払いましょう。

脂質異常症とは

血液中のLDL(悪玉)コレステロールやトリグリセライド(中性脂肪)が過剰な状態、またはHDL(善玉)コレステロールが少ない状態をいいます。その中でも、動脈硬化と関連が深いのがLDLコレステロールです。動脈硬化を放置しておくと血管が狭くなったり詰まったりし、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を起こし、突然死に至ることもあります。

脂質異常症予防・治療の食事

脂質異常症の予防・改善にはバランスのよい食事が大切です。まずは食生活の改善から始めましょう。ふだんの食生活をみなおし、夜遅くに食べることはひかえましょう。
運動と組み合わせれば3か月でLDL(悪玉)コレステロールを10%程度減らす効果が期待できます。

1.高LDL(悪玉)コレステロール血症の人が注意したい食品

ひかえたほうがよい食品
コレステロールを多く含む食品例
卵黄、内臓、魚卵(いくら)、ししゃも、しらすぼし、イカ、タコ、エビ、肉の脂身、乳製品(バター、生クリーム、牛乳)

注意したい料理
油が多く使われているもの、卵やエビなどコレステロールを多く含む食材を使ったものは避けましょう。揚げ物(エビフライ、トンカツなど)、ピザ、親子丼、いくら丼、うな重、オムライスなど

2.高LDL(悪玉)コレステロール血症の人におすすめしたい食品

コレステロールの蓄積を防ぐ食物繊維を多く含むもの(野菜、海藻、きのこ)
タンパク質としては肉より魚(青魚)、大豆製品(豆腐、油あげ)。肉は鳥のささみがおすすめです。
油を使う場合は植物油(ベニバナ油、サラダ油、オリーブ油など)を少し。

3.高トリグリセライド(中性脂肪)血症の人は糖分やお酒をひかえめに

糖分の多い食品例
菓子、果物、ジュース、お酒は1日ビール1本程度にひかえましょう。

日常生活をみなおしましょう

1.運動を生活に組み込みましょう

運動はトリグリセライド(中性脂肪)を低下させ、HDL(善玉)コレステロールを上昇させる働きがあります。短時間でも毎日続けたほうが、効果があがります。運動の効果が現れるまでには、個人差はありますが数か月かかるといわれています。気長に続けましょう。

2.体重をコントロールしましょう

標準体重になるよう、適正なエネルギー量をとりましょう。食事と運動をバランスよく、食べすぎに注意しましょう。
標準体重=身長(m)×身長(m)×22

脂質の管理目標値

脂質異常症の治療の際に目標とするLDLコレステロールの値は、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞の既往や高血圧、糖尿病などの危険因子の有無により異なります。つまり、何らかの危険因子がある人は、LDLコレステロールがそれほど高くなくても動脈硬化が進みやすく、より低いLDLコレステロール目標値が定められております。

資質異常症

薬物療法でより確実に

食事療法や運動療法でもLDLコレステロール値が目標値まで下がらない場合は、薬物療法を行います。LDLコレステロール値が下がっても中断せずに、治療を続けることが重要です。

高血圧とは

収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上を高血圧といいます。長い間、血圧の高い状態が続くことによって、脳や心臓、腎臓などの血管を傷つけ脳卒中、心筋梗塞、腎不全を起こしやすくなります。
目標とする血圧は年齢や合併症によっても違いますが、まずは収縮期血圧140mmHg未満、かつ拡張期血圧90mmHg未満をめざしましょう。糖尿病や腎障害などがある場合は、さらに低い値を目指します。

高血圧

日常生活をみなおしましょう

1.食事

減塩:高血圧の患者さんは1日6g未満が目標です
日本人の1日の平均食塩摂取量は11~12gといわれています。酸味や香辛料などを取り入れて少しずつ塩分を減らし、半減をめざしましょう。徐々に薄味に慣れることが重要です。

栄養バランス
野菜・果物には利尿作用があるカリウムが含まれており、塩分を排出してくれます。多く取ることを心がけましょう。また、肉より魚がおすすめです。

2.適正体重の維持

肥満は心臓に負担がかかります。食べすぎによるカロリーオーバーに注意し、運動で体重をコントロールしましょう。BMI(体重kg÷身長m÷身長m)25を超えないようにしましょう。

3.日常生活

運動
激しい運動はかえって血圧を上昇させてしまいます。医師に相談して、ウォーキング、軽いジョギング、サイクリングなど、マイペースで楽しんでできる運動を行いましょう。

節酒
お酒はビールなら1日に中ビン1本、日本酒なら1合程度にとどめましょう。

禁煙
高血圧の人が喫煙を続けると合併症を起こす危険率が高くなります。今日からやめましょう。

睡眠・休養
睡眠・休養をしっかりとり、ストレスをためないようにしましょう。

温度差
寒いと血圧があがりますし、暖かいところから急に寒いところに行くと心臓に負担がかかってしまいます。入浴の際は脱衣所や浴室に暖房を入れるなどして温度差を小さくし、お湯の温度に注意しましょう。

薬物療法は医師に相談しましょう

高血圧療法に用いられる代表的な薬剤は大きく分けて5種類です。

  1. アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
  2. アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
  3. カルシウム拮抗薬
  4. 利尿薬
  5. β(ベータ)遮断薬

1つの薬で血圧が十分下がらない場合は、患者さんに合わせていくつか組み合わせて処方されます。自分で判断して薬を増やしたり中止したりせず、医師に相談しましょう。

家庭血圧をはかりましょう

家庭で血圧をはかると健康状態や薬の効き方などさまざまな情報がわかります。

糖尿病とは

血糖値(血液中のブドウ糖濃度)の高い状態が続く病気です。痛みなどはなく、「のどが渇きやすい」「尿が多い」などが典型的な自覚症状です。それだけに日頃のチェックが重要です。知らないうちに進行してしまうと「神経障害」「網膜症」「腎症」などの合併症や、心臓病や脳卒中などを発症しやすくなるからです。
食事をしたりジュースを飲んだりすると血液中に糖分が吸収されて、血糖値があがってきます。普通はインスリンというホルモンが働いて血糖値を正常に戻しますが、インスリンが出にくかったり、働きが悪い人は、血糖値が高い状態が続きます。

糖尿病を放置すると

糖尿病を治療せずに放置しておくと、さまざまな血管障害の危険があります。網膜症腎症神経障害は糖尿病の三大合併症といわれています。ほかにも、動脈硬化を促進してしまうために心筋梗塞狭心症脳卒中などが起こりやすくなります。また、足の血管に動脈硬化が起こると、血行が悪くなって栄養が届かなくなってしまい、組織が破壊される「壊疽(えそ)」が起こりやすくなります。

糖尿病治療の食事

過食や肥満などで低下してきたインスリンの働きを発症前の状態に戻すため、食事療法が基本となります。

適正エネルギーの摂取をこころがけましょう

食べ過ぎると糖を処理するためにインスリンをたくさん分泌しようとして、すい臓に負担がかかります。これが長く続けばインスリンの分泌が低下し、さらに働きが低下します。また食べすぎは肥満の原因にもなります。

糖尿病

日常生活をみなおしましょう

1.運動は無理せず続けましょう

運動するとブドウ糖の消費が増え、インスリンの作用が高まります。また肥満の解消にも役立ちます。がんばりすぎると血圧があがってしまうこともあります。まず医師に相談しましょう。

種類
80kcal消費するための運動量
水泳/5分、ウォーキング/20~25分、自転車/10~15分

強度
息がややはずむ程度

時間
強度にもよりますが、1日15~30分でも、続けることが大切です。

頻度
週1回程度では不十分です。
日常生活に組み込みましょう。

ふだん運動をしない人は、歩数計をつけてみましょう。目標は1日1万歩!

2.足の手入れをしましょう

糖尿病になると足の血行が悪くなりがちです。また、神経障害があると、傷ができても気づかないこともあります。足を常に清潔にし、毎日観察するとよいでしょう。

薬物療法できっちりコントロール

食事療法や運動療法を行っても血糖値が目標値まで下がらない場合は、薬物療法を行います。

1型糖尿病
最初からインスリン注射による治療が必須です。

2型糖尿病
生活習慣の改善、食事療法、運動療法を行っても効果が不十分な場合は、血糖値をコントロールする経口血糖降下薬やインスリンを用います。インスリン注射の治療により、いい状況を続けていると内服薬での治療になることも多いです。

メタボリックシンドロームとは

血液中の脂質、血圧、血糖がやや高い程度であっても、内臓肥満がある場合には注意が必要です。内臓肥満、脂質代謝異常、高血圧、糖代謝異常の重複は、メタボリックシンドローム(代謝異常症候群)と呼ばれており、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす危険性が高くなります。

資質異常症

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